誰かがオススメする健康食品を、安易に信じてはいけない理由

ビタミンやミネラルのサプリメントで健康・長生きできると思ってはいけません(後編)

「プロフィール」で書きましたが、このブログでは、以下についてお話ししていきます。

  1. 信用できる健康情報と信用できない健康情報の見分けかた
  2. 長生きするために効果的な食べ物や健康法
  3. 逆に、長生きするためにはいらない食べ物や健康法

まず、今回と次回で、

「信用できる情報と信用できない情報の見分けかた」

この方法論をお話しします。

今回のテーマは、タイトルの通り、「誰かが言う健康情報を、安易に信じてはいけない」です。

1. 専門家がオススメする健康食品を安易に信用してはいけない理由

○○大学教授、○○センター室長などの肩書きを持つ専門家。

健康食品の紹介で、こういう人がよくあらわれますよね。

こんなことを言っているのを見かけませんか?

  • この健康食品「〇〇」が健康長寿に最高です!
  • あの食品や薬は危ない!この健康食品にはそんな危険はありません!

こういうとき、「お医者さんや専門家が言うことだから本当でしょ!?」と思いますか?

でも、専門家が言っているからといって、安易に信じてはいけません。

なぜか。

専門家の言葉が正しいとは限らないからです。

「だからぁー。専門家だから俺たちより正しいんじゃないの?」

と思いますか?

専門家にも事情があるのです。

例えば。こんな可能性があるんんじゃないでしょか。


  • 健康食品を紹介して、メーカーからお金をもらっているのかもしれません。
  • 危険を煽っておいて、自分のところに相談に来てもらいたいのかもしれません。
  • 悪意はなくても、自分の経験のみに基づいた考え・記憶違い・勘違いなどがあるかもしれません。

専門家は、私たちの体だけのことを考えているわけではない、かもしれないのです。

専門家というだけで、信じてはいけません!

どんな根拠に基づいて、そのような主張をしているのかをじっくり見てみてください。

そして、その根拠は、どんなデータに基づいているのかを見てみてください。

 

そのとき、わかるでしょう。

根拠が少ない、データ不足であることが何と多いことか。

今後紹介していきますが、本屋で並んでいる健康本にも同じことが言えます。

データを示していない本。

データを示していても、その情報源(どこからそのデータを引用したのか)を示していない本。

そういうのが本当にたくさんあります。

 

こんなときに大切なことは何でしょうか?

以下のように考えてみましょう。

  • 専門家が言っていることだから間違いないだろうと、思考を停止させて全面的に信用してはいけない。
  • 本当にそうなのか疑うこと。
  • その根拠を確認すること。
  • そして、その根拠に基づいて、自分で判断すること。

ただ、専門家でない人にとって、それが難しいことはよくわかります。

「そんな簡単に言うけど、それができれば最初からやってるよ!」

 

わかります。

このブログは、それを解決するためにあるのです。

 

私も、文学とか建築学とか電子工学とか物理学とか、専門外のことはまったくわかりません(泣)

そういう分野で、ちょっと詳しい人から、それっぽいことを言われると、すぐにだまされそうです。

なので、本来、専門家は、わかりやすく、誠実にそして科学的に研究成果を示さなければならないのです。

専門家は、誰のために研究をしているのか、立ち返って考えるべきなんですね。

 

さて。

「医療・健康について、信用できる情報かどうか、どうやって判断すればいいの?」

という方法については、実際の事例を使って、今後お話ししていきます。

今回の記事の目的は、とにかく、「専門家だからといって安易に信用しない」

というスタンスを持つことです。

これがスタートです。

2. 新聞やテレビが紹介する健康食品を安易に信用してはいけない理由

みなさんが日常的によく目にする媒体、アクセスしやすい媒体はどんなのでしょう?

テレビ、新聞、雑誌、書籍、インターネットといったところでしょうかね。

でも、こいつらはこんな感じです。

 ↓

テレビ:本当もあるしウソもある

新聞 :本当もあるしウソもある

雑誌 :本当もあるしウソもある

書籍 :本当もあるしウソもある

ネット:本当もあるしウソもある

私たちは、この「玉石混淆(ぎょくせきこんこう)」の中で、

「ウソ情報」をスルーして、「本当の情報」を採用する眼力(めぢから?がんりき?)

すなわち、「健康情報の見極めかた」を身につける必要があります

 

例えば。

「健康」を扱うテレビ番組のプロデューサーや新聞記者が、健康情報に疎いと、どうなるでしょか?

日本全国に誤った情報を発信することになりますね。

ひとつ間違えると、健康被害が起こります。

全国放送は、とても多くの国民が視聴しているのです。

その影響力は計り知れません。

 

「新聞やテレビの情報は、専門家の意見も聞いて、ちゃんと検証されているでしょ。 間違った情報なんてないでしょ。」

と思うでしょう?

そんなことないです。

いや、本来、ちゃんと検証されるべきなのですがね。

そうならないときも、私はたびたび見てきました。

 

健康に関するマスメディアの「リテラシー※」については、松永和紀氏が著書「メディア・バイアス」[1]で、 強く批判しています。

※ここで言う「リテラシー」というのは、マスメディアが、健康に関してどれくらい理解力があるかということです。

この書籍では、健康情報番組による不適切な情報発信がいくつも紹介されています。

  • 例えば、「発掘!あるある大事典2」の「納豆がダイエットによい」という番組でデータの捏造があったこと。
  • 例えば、「発掘!あるある大事典2」の「寒天で痩せられる」という番組によって便秘の症状を訴える患者が発生したこと。
  • 例えば、「ぴーかんバディ!」の「白インゲン豆がダイエットによい」という番組によって嘔吐や下痢の症状を訴える患者が続出したこと。

また、マスメディアは、専門家の意見を利用することがあります。

番組を思い通りの方向に持っていけるように。

専門家が話す中で、欲しい部分だけ「切り貼り」して。

松永氏は、国民に誤った情報を流すマスメディアにこそ問題があると主張します。

 

松永氏の主張は理解できます。

私も、マスメディアが日本国民の健康に悪影響を与えている事柄に対して、ちょっともの申したいことがありますから。

まあ、それはまた今度お話しします。。

 

そうは言っても、今の私には、マスメディアを変えられる力がありません。

なので、マスメディアから発信された健康情報を受け取る側に対して、見極めるための情報を提供したいです。

マスメディアが発信する健康情報をそのまま鵜呑みにせず、自分で考えて判断することを目標にしてみましょう。

それができれば、それはかなり効果的な健康法を取り入れている状態だと言えるでしょう。

3. 健康食品の体験談を安易に信用してはいけない理由

専門家や、新聞・テレビだけではありません。

実際に健康食品を試してみて「良かった」「効いた」とアピールする人が言うことも、簡単に信用してはいけません。
よくある「体験談」です。

 

「体験談」は、何かの商品を買うときの参考に、よく使われる方法ですね。

ふつうは、好ましく思われるかもしれません。

しかし、こと医薬品や健康食品のような「健康目的で使用する」という目的では、「体験談」を信用してはいけません。

 

健康食品を販売する会社も、よく「体験談」で商品の効果をアピールしていますね。

健康食品は、医薬品のように、ある病気に「効果がある」とメーカー自身が言うことができないのです。

そのように、法律で決まっています。

また、効果があるという「信頼性が高いデータ」も世の中にほとんどありません。

 

では、健康食品メーカーが、効果があるとアピールするためにはどうするのか?

「実際に食べている人は効果を実感していますよ」、という使用者の体験談を示すのです。

そうやって、消費者に購入させようとするのです。

 

試しに、健康食品の販売で有名なファンケルなどのホームページを見てみてください。

一つ一つの商品にクチコミがあり、使用後の感想が掲載されています。

これを読んで、どう考えるかは人それぞれですが。

ある人は、こう思うかもしれません。

「みんな調子が良くなってるなー。試してみる価値ありそう!」

 

でも、こう感じることはありませんか?

私はこう感じてしまいます・・・。

・「なんで、効果なかったってクチコミはこんなに少ないのかな?」

もっと言うと

・「効いたと思った人だけがクチコミ投稿してるんじゃね?」

もっともっと言うと

・「効いたと思った人のクチコミだけを掲載して、効かなかった人のクチコミを除外してるんじゃね?」

もっともっともっと言うと

・「そもそも、掲載しているクチコミは本当なのかよ!?(そのクチコミを投稿した使用者は実在するのか?)」

体験談というのは、掲載する側、つまり健康食品を販売する会社が、都合が良い内容を自由に選ぶことができるものです。

健康食品の効果をアピールするために。

しかも、「その情報の信憑性を、第三者が検証できない」という点が致命的なデメリットですねー(泣)

 

極端なことを言えば。

健康食品の販売会社の社員が、「健康食品体験者」と称して、嘘のクチコミを掲載することもできてしまうのです。

そして、それを第三者が嘘だと証明する手段がありません。

このような性質を持った「体験談」を信用しろと?ムリムリ!
って感じです。私は。

 

疑り深すぎだと思われますか?

でも、 健康食品やサプリメントは、電化製品とは違います。

電化製品なら、体験談を見て買ってみたとき、期待はずれだったとしても、ガッカリするだけで済みます。

でも健康食品やサプリメントは、 副作用の恐れがあるのです。

実際に、サプリメントが死亡率を高めるという研究結果も存在するのです![2]

そう簡単に、受け入れてはいけません。

 

消費者庁も、最近はこのような体験談を問題視しつつあります[3]。

が、実際に販売会社のウェブサイトで、このようなクチコミが普通に掲載されているのが現状なのです。

 

また、最近は、健康食品のメーカーも、データを公開するようになってきましたね。

体験談だけだと、消費者を引き付けるのは限界があると思ってきたのでしょうか。

ただ、そのデータの信頼性は高いと言えません。

健康食品メーカーが公表しているデータの信頼性が低いことについては、今後、具体的な事例を出しながらお話ししていきますね。

 

なお、誤解のないように申し上げておきますが、私はファンケルが嘘のクチコミ情報を掲載していると言っているわけではありません。

また、「本当は効果がないよ!」と言っているわけでもありません。

 

(信頼性の高い)データがないということは、「効くかどうかがわからない」ということです。

(信頼性の高い)データがないから、その健康食品が無効、ということにはなりません。

中には本当に有効な可能性もあるかもしれません。

ま、私が言いたいことは、
「体験談は、効果があると判断するための情報としてはほとんど使えないため、信用するに値しない」
ということです。

体験談が気になる場合は見ても構いません。

ただ、安易に信用せず、信用に値する他の情報も踏まえて最終的に決めるのが、スマートな判断だと言えるでしょう。

【参考文献】
[1] 松永和紀「メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学」光文社
[2] Lancet. 2003;361(9374):2017-2023
[3] 消費者庁ホームページ(最終閲覧日:2018年10月25日) , http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/food_safety/food_safety_portal/health_food/

検索サイト:PubMed

※医学論文の出典は、上記のように示すことで、研究者は、医学論文の検索サイトから、元の論文にアクセスすることができます。
参考までに、その検索サイトと、 今回の論文のまとめを公開しているサイトをお示しします。
このサイトを使った論文の調べ方については、今後の記事でお話しする予定です。

おわり。