寝不足ダメ!寝すぎはダメダメ!睡眠時間と健康寿命の関係は?

寝不足ダメ!寝すぎはダメダメ!睡眠時間と健康寿命の関係は?

大学生のとき、グータラ生活がすっかり身に付き、1日10時間くらいは寝ていたと思います(授業中を含む)。

ところが、就職すると、激務?と飲み会で睡眠不足の毎日(T_T)

読者のみなさん、健康長寿を目指すなら、こんな体に悪いことはしてはいけません!

 

私の話はさておき。

睡眠時間と健康については、昔からたくさんの研究がされてきました。

そして今わかっていること。それは、

  • 寝不足は死にやすくなる
  • 寝過ぎも死にやすくなる

とういうことです。

 

ということで、今回は、睡眠時間と健康との関係です。

1. 睡眠時間と健康・長生きの関係。日本人の場合は?

日本人40~79歳の98,634人を14.3年間も追跡して、睡眠時間と死亡との関係を検討した研究があります[1]。

結果は、前述のとおりです。

すなわち、

  • 睡眠時間が短い:死亡リスクが上昇
  • 睡眠時間が長い:死亡リスクが上昇
  • 最適な睡眠時間:7時間

以上!

わかりやすいでしょう?

ただ、これで終わるのも何ですので、もう少し詳しくお話しさせてくださいm(_ _)m

 

この研究では、睡眠時間について、質問票で調査されて、以下の7つのカテゴリーに分けられました。


  • 4時間以下
  • 5時間
  • 6時間
  • 7時間
  • 8時間
  • 9時間
  • 10時間以上

 

その結果、睡眠7時間の死亡リスクを「1」とすると、他の睡眠時間の死亡リスクは、以下のようになりました。

睡眠時間 男性 女性
4時間以下 1.29 1.28
5時間 1.02 1.11
6時間 1.08 1.05
7時間 1 1
8時間 1.06 1.16
9時間 1.13 1.32
10時間以上 1.41 1.56

 

表の見かたはわかりますでしょうか?

死亡リスクが、基準の「1」を越えているということは、より死にやすいということです。

この結果からは、睡眠時間は、7時間より多くても、少なくても、死にやすいということですね(>_<)

 

死因別に見ると、

  • 心臓疾患による死亡:「 寝すぎ」で増加
  • がんによる死亡:睡眠時間の影響なし
  • 心臓疾患やがん以外の病気で死亡:「寝不足」でも「寝すぎ」でも増加

 

ただ、このデータを解釈するのに、注意点があります。

この研究は「観察研究」です。

そう、 データの信頼性に注意が必要でしたね。

 

「観察研究」は、「都合が良いデータだけを集めてきたんじゃね?」と思われてしまう研究方法なのです。

例えば、睡眠時間は、質問票で集めたようですが、どんな集めかたをしたのでしょうか?

 

長い観察期間の間、生活習慣が変わることはしょっちゅうあるでしょう。

この研究では、年に1回、1年間の平均睡眠時間を質問していたようですが。

そんなので厳密な睡眠時間がわかるわけがありません。

私も、1年前の睡眠時間とか、覚えていません。

まあ、ずっと規則正しい生活をしている人は、「だいたい○時間くらいかな?」くらいのザックリした回答にはなるでしょう。

 

私、こういうの、気になるんです。。。

研究者が、論文の中で解決してくれれば良いのですが、なかなか毎回そういうわけにはいきません。

そういうときは、この論文だけで判断しません。

他の論文でも、一貫した結果になっているか、もう少し調べてみましょう。

2. 睡眠と健康・長生きの関係。海外のたくさんのデータでは?

最近発表された大規模な臨床研究を見てみましょう。

74個の研究を合体させた「メタ解析」です[2]。

 

「メタ解析」は、以前の記事でお話ししましたね。

複数の研究を合体させて、信頼性が高い結論を導き出すための方法でしたね。

以前の記事はコチラ→信頼できる健康情報とは何か?人間を対象にした研究の方法論

 

今回の「メタ解析」の研究は、とってもとっても大きな規模です。

対象となった参加者は、300万人以上にもなります。

よくもまあ、世界中でこれだけの研究をしたものです(^_^;)

 

この研究の結果は、以下のとおりです。

  • 8時間以上の睡眠で、死亡リスクが上昇
  • 1日10時間以上寝ている人は、1日7時間の人よりも死亡率が30%高い
  • 睡眠時間だけでなく、睡眠の質が悪くても、心臓の病気になるリスクが44%も高くなる
  • 最適な睡眠時間は7~8時間

海外の超大規模な研究でも、日本の研究結果とだいたい同じような結果ですね。

 

ただ、この研究では、睡眠時間のデータは、自己申告で得られたものです。

日本の研究と同じく、ザックリした睡眠時間と言わざるを得ません(-_-;)

 

まあ、これはしょうがないのかもしれません。

日常的に、睡眠時間を正確に測定することはできませんから。

そういう測定をしようとすると、それはそれで、本人は気になって眠れないんじゃないかな?

大きい規模で調査することはできなくなるし。。。

私のような小心者は、睡眠不足になるでしょう(>_<“)

 

ということで、一番信頼性が高い研究方法をすることは、現実的になかなかできないので。

信頼性は少し低いものの、「現実的に実現できる研究」が行われました。

前述の結果は、そのような研究をたくさん集めて、信頼性を高めた「メタ解析」の結果です。

私たちは、この結果を参考に行動するのが、現時点の最適解ではないでしょうか。

3. 何で睡眠時間がおかしいと健康に悪いのか?

結論が出たところで、蛇足かもしれませんが。

「寝不足」や「寝すぎ」が寿命を縮める原因について、少しだけ触れておきます。

興味がなければ、「4.まとめ」に飛んでオッケーです(^^)/

 

個々の研究論文ではなく、日本人における睡眠障害の「総説」を参考にしました[3]。

「寝不足」で死亡率が増加する原因は、以下のようなものが考えられています。


  • 血糖値のコントロールがおかしくなる。
  • 交換神経系のコントロールがおかしくなる
  • 免疫系のコントロールがおかしくなる

ま、どこのコントロールがおかしかろうが、おかしくなかろーが、研究者ではない私たちは、そんなに気にすることはありません!

要は、現に、睡眠時間が違うと死亡リスクが変わってくる、という事実を知っていれば良いのですね♪

一方、「寝過ぎ」で死亡率が増加する原因は、あまりよくわかっていないようですね。

ただ、考えられる原因としては、以下のようなものが挙げられています。


  • 健康状態がもともと良くなかった
  • 動く習慣がない
  • 憂うつな気分がある
  • 経済状態が良くなくて、活動が制限されている

 

このあたりは、どちらかと言うと、「寝過ぎ」で死にやすくなったのとはちょっと違いますね。

どちらかと言うと「寝過ぎ」になった原因のようです(-_-;)

例えば。


  • 健康状態がもともと良くなかったから、寝ている時間が長くなった。
  • 死にやすかったのは、寝すぎだからではなく、もともと健康状態が悪かったから。

という可能性も考えられます。

 

ただまあ、「寝過ぎ」の人が死にやすいということがわかっているのです。

「原因がわかんないなら、寝過ぎてもいいんじゃん!」

というのはいただけませんねー(>_<)

「寝過ぎ」が 「直接寿命を減らしている可能性」が否定されているわけではありませんから。

4. まとめ

  • 最適な睡眠時間は、だいたい7時間くらい!
  • 「寝不足」厳禁!
  • 「寝過ぎ」厳禁!

「睡眠時間を調節する」という健康法。

なんてコスパの優れた健康法でしょう♪

なんといっても、コスト0(ゼロ)です!

やらない理由が見当たりません!(^-^)/

 

【参考文献】
[1] Sleep. 2009 Mar;32(3):295-301.
[2] J Am Heart Assoc. 2018;7:e008552.
[3] 保健医療科学 2012 Vol.61 No.1 p.3-10

おわり。