食品添加物否定派のお家芸。「複数の食品添加物を同時に食べるときの安全性」は。

食品添加物否定派のお家芸。「複数の食品添加物を同時に食べるときの安全性」は。

一つ一つの食品添加物は、「安全に使える量」がわかっています。

以前の記事でお話ししましたね。

 

ところが、「何種類も一緒に食べたらどうなるかわかんないよ!やっぱり怖いよ(*´Д`)」

というのをよく聞きます。

ま、言いたいことはわかります。

ロボットはだいたい合体したら強くなりますからね♪

結婚式披露宴でも、主賓の方がスピーチでよく言ってますね。

「夫婦が協力すると1+1=2ではなく3にも4にもできるのです!」って。

 

以前の記事で、「食品添加物は怖いぞ~ヾ(゚д゚)ノ」

と、不安を煽り立てる本のお話しをしましたね。

「食品の裏側」という本です。

その本にも、こんなことが書いてあります。


(一つ一つの食品添加物はちゃんと試験されていると前置きした上で)

「しかし、それは単品使用の場合においてのテストであって、複数の添加物をいっぺんに接種したらどうなるかという実験は十分になされていないのです」


こういうのを真に受けて、やっぱり食品添加物コワイ((( ;゚Д゚)))

となる人もいるでしょう。

 

実際に、食品添加物否定派は、このような主張を必ず持ち出してきます。

ほぼ100パーの確率で言ってきます(・_・)

では、本当にそうなのか、考えてみましょう。

 

実は、この疑問にこたえる調査が既に行われています[1]。

今回は、その結果をお話ししますね♪

1. 複数の食品添加物を組み合わせたときの健康への影響を調べた調査

その名も「食品添加物の複合影響に関する情報収集調査」です。

この調査は、内閣府の「食品安全委員会」というところが、民間の「三菱総合研究所」に委託して行われた調査です。

委託することになった理由は、「国民が不安を感じているため」、ということです。

 

「不安」というのは、「複数の食品添加物を食べることで健康に悪影響があるのではないか?」

ということですね。

よくよく、国民は食品添加物に対する不信感を強く持っているのでしょう。

 

調査報告書を見ていただければわかると思いますが、 よくできた調査です。

現存する論文を網羅的に慎重に吟味していて、精緻な分析をしています。

以前の記事でお話ししたトンデモ本「食品の裏側」とは、完全に対照的です。

資料の比較 特徴 情報源
トンデモ本「食品の裏側」 データがなく、著者一人だけの感想 著者の体験
今回お話する調査報告書 科学的根拠(データ)に基づいた分析 論文データベースから網羅的に集められた論文

 

この調査では、2つの可能性に着目して、 検討されました。


①食べる前に、食品添加物同士が化学反応する場合

②食べた後で、体の中で相互作用が起こる場合


結果は次項で♪

2. 複数の食品添加物による健康影響の調査結果

①については、すでにいくつか研究結果があります。

大半は、何も起こらないというものでした。

が、以下のような事例が確認されました。


  • アスコルビン酸(酸化防止剤)と安息香酸(保存料)の反応で、発がん性があるベンゼンができる
  • 硝酸塩(発色剤)が、食品や他の添加物と反応して発がん性のニトロソアミンができる

 

ただし。

諸外国では、以下のように結論付けています[1][2]。

このような発がん性物質ができることについては、摂取されているレベルを考えると、健康への悪影響のリスクは「著しく低い」

日本でも、念のため回収措置を取りましたが、諸外国と同様の見解を公表しています[1][2]。

 

ちなみに、アスコルビン酸も、安息香酸も、硝酸塩も、野菜や果物に含まれている成分です。

食品添加物でなくても、ふつうに同時に食べてる成分ということです。

が、そういうのは一切、不安に感じられていないんですねー、不思議ですねー。

「食べ物にも食品添加物の成分が入っている」ということを知らない人が多いのではないでしょうか。

 

②については、あまり研究結果がないようです。

これは、実際に問題が起こったという事例が世界中のどこにもないという現状のため、とも言えます。

 

まあ、研究結果がないわけでもないです。欧州で行われた研究結果があります[3]。

この研究では、いろんな食品添加物の組み合わせによる健康影響が検討されました。

各臓器別に、影響が出るかどうかが確認されました。

その結果、どの組み合わせでも「問題なし」という結果でした。

この結果は、「理論的には肝臓・腎臓などに影響を与える可能性が考えられる食品添加物」の組み合わせでも、同じく「問題なし」でした。

 

以上から、この調査の結果では、このように結論しています。

「食品添加物の複合暴露による健康影響については、多数の添加物が使用されていても、実際に起こりうる可能性は極めて低く、現実的な問題ではなく、理論的な可能性の推定にとどまるものである。」

 

わかりやすくいうと、こんな感じでしょうか。

「いろんな食品添加物を一緒に食べてもぜんぜん問題ないよー♪危ないって言ってる人の想像レベルの話なんだよー♪そんなの真に受けないでね♪」

 

3. まとめ

ちまたでは、「いろんな食品添加物を一緒に摂ったら危ないぞ~!」

と、まことしやかに言われています。

 

では、実際に食品添加物で健康被害が発生しているでしょうか?

実際には、何十年も、食品添加物が原因の健康被害は報告されていません[4]

それに、複数の食品添加物の摂取を想定した試験の結果でも、安全性に問題は認められていません。

「まったく問題ゼロ」と断言することはできませんが。

少なくとも、「心配しないといけないようなことは起こっていない。」

ということは事実です。

そもそも、「まったく心配ゼロ」の食べ物など、この世に存在しないのですから。

むしろ、自然の食べ物の方が、「何千種類もの未知の化学物質の集合体」なのですから。

「食品添加物だけ避ける」ということが、いかに「不合理」か、すなわち「非論理的な考え方」か、わかりましたでしょうか?

 

ということで、今日の結論をまとめると。

「添加物♪複数あっても気にしない♪」(川柳風;字余りだけどm(__)m)

【参考文献】
[1] 内閣府食品安全委員会平成18年度食品安全確保総合調査「食品添加物の複合影響に関する情報収集調査」平成19年3月、株式会社 三菱総合研究所
[2] 正しい添加物講義, 株式会社ウェッジ
[3] Regulatory Toxicology and Pharmacology 31, 77‐91 (2000)
[4] 知っておきたいこと, NPO法人くらしとバイオプラザ21

おわり。