子宮頸がんワクチンが窮地にあるという現実(前編)

子宮頸がんワクチンが窮地にあるという現実(前編)

今回は、子宮頸がんワクチンについてお話しします。

今、恐るべき事態が起こっているからです(>_<)

 

正確には、「HPV ワクチン」と呼ぶべきかもしれませんが。

「HPV」とは、子宮頸がんの原因となるウィルス

「ヒトパピローマウィルス(Human papillomavirus)」の略です。

まあ、一般的なのは、「子宮頸がんワクチン」と呼ばれるのが多いですかね。

なので、今回は「子宮頸がんワクチン」でいきますね。

1. まず、子宮頸がんは、恐ろしい病気なのを理解してください!

子宮頸がんは、こんながんです[1]

  • 毎年新たに約1万人が発症する。
  • 毎年約3000人が死亡する。
  • つまり、女性の76人に一人が、生涯のうちに子宮頸がんになる。
  • その中で約4人に一人が死亡する。
  • 手術で助かったとしても、子宮を切除すると子供を産めなくなる可能性がある。

女性にとって、とっても恐ろしい病気です!

上の 数字を見て、どう思いますか?

無視できるほど少ない数字ではありません!

この子宮頸がんは、ほとんどがHPVというウィルスの感染によって発症することがわかっています[1]。

 

そして、ワクチン接種によって予防することができます。

これは、性交渉によって感染します。

なので、初めて性体験をする前に、予防接種を受けることが、とっても効果的なのです。

具体的には、小学6年生~高校1年生くらいが推奨されます。

 

「本当に予防できるの?」

という疑問に応えるために、次の項で、ワクチンの効果についてお話しします。

2. 子宮頸がんワクチンは効果があるのです!

子宮頸がんワクチンの効果を調べるには、 以下の2つのグループを比べるのが一番です。


  • ワクチンを接種したグループ
  • ワクチンを接種しなかったグループ

何を比べるか?

「どっちが子宮頸がんが少ないか」ということですよね。

 

ただ、注意すべきことがあります。

研究の途中で、子宮頸がんになりそうな人を、がんになるまでそのまま放っておくことは無理です。

わかりますよね?

研究のためとはいえ、そんな非人道的なことはできません。

 

じゃあどうするか?

子宮頸がんになる手前の状態、「前がん状態」 を確認したところで、「子宮頸がんになりそうな人」

と判断するのです。

 

前置きが長くなりました。

上記のようにして行った研究の結果が論文になっています[2]。

結果は以下の通りです。

  • ワクチンを接種したグループは、子宮頸がんの「前がん状態」になるリスクを45%低下させました
  • 重い副反応が発生する確率は、両グループ間で差が認められませんでした

 

いかがでしょうか?

ワクチンを接種することで、子宮頸がんになる危険性を、大きく減らせるということです。

しかも、重い副反応(好ましくない症状)もほとんどないという結果です。

すごいですね!

とってもわかりやすい結果です(^^♪

 


ちなみに、この論文では「メタ解析」という信頼性が高い方法が使われています。

以前の記事でもお話ししましたが、たくさんの研究結果を合体させて、信頼性を高める方法でしたね。

しかも、そのもととなる研究は、「ランダム化比較試験」という、もともと信頼性が高い方法です。

なので、「ランダム化比較試験」の「メタ解析」の信頼性は、あらゆるデータの中でも最強なのです!


 

ちなみに、個々の臨床試験でも、感染していない人に対して、

「HPVの感染をほぼ 100%予防して、「前がん病変」まで進むのをほぼ 100%予防する」

という結果が得られています[3][4]。

 

このように、子宮頸がんワクチンには、とても明確な効果が認められているのです。

3. 子宮頸がんワクチン否定論の影響

ところが、日本では、子宮頸がんワクチンが浸透していません。

それどころか、子宮頸がんワクチンを否定する人たちがたーっくさんいるのです。

日本では、子宮頸がんワクチンは今や「悪者」扱いされています。

なぜか?

ワクチン接種による悪影響を懸念されているのです。

 

なぜ、子宮頸がんワクチンは、そのような懸念を持たれているのでしょうか?

意図的に、そのような流れになるような動きがあるのです。

そういう、ワクチンを否定する流れがあり、厄介なことに、その流れが大きいため、よく知らない人たちは、その流れに流されて、否定的な考え方を持ってしまっています(>_<)

なんとかしなければ、子宮頸がんの被害者がどんどん積みあがっていきます(>_<)

その否定的な流れとは、どのようなものでしょうか?

ちょっと長くなりますので、次回の記事で。

特に、女の子がいるご家族は必見です!!

【参考文献】
[1] 国立がん研究センターウェブサイト(最終閲覧日:2018年12月4日)、https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/index.html
[2] https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4159543/pdf/12889_2014_Article_
7005.pdf
[3] N Engl J Med 2007; 356: 1915-1927
[4]  Lancet 2009; 374: 301-314.

おわり。