健康や病気の情報をあまり知らない人いますか?死亡リスクが高いですよ!

健康や病気の情報をあまり知らない人いますか?死亡リスクが高いですよ!

近年は、インターネットの普及によって、だれもが健康に関する情報にアクセスしやすい社会になっていますね。

身体に何か不調があった時には、とりあえずGoogle先生。

家族や知人が病気になった時も、やっぱりGoogle 先生。

一番最初は、Google 先生ではないでしょうか。病院の先生ではありません。

私だけですか?

 

あと、書籍で調べることもありますね。

そういう先生方から情報を集めて、いろんな対処方法を考えるのではないでしょうか?

 

また、健康や病気の情報を収集するのは、病気の人だけではありません。

健康な人にもいろんな事情があります。

  • 健康維持のため
  • 再発を予防するため
  • 家族が遺伝性の病気にかかった ことがあるため
  • 長生きするため

みたいな。

とにかく、みんな、健康や病気の情報を集めて、日常生活に取り入れようとしますよね?

このブログは、そのような方々のためにあります。

 

でも、健康や病気の情報を集めるだけでは問題は解決しません。

情報を集める
 ↓
正しく解釈する
 ↓
最適の解決方法を見つける
 ↓
実践する

この流れのどれか一つでも足りないと、健康問題は解決しません。

今回お話しするのは、このような流れで、健康や病気の情報を活用する人としない人で、将来の健康状態に大きな差が出るという論文です。

1. 健康や病気の情報に疎い(うとい)人が死にやすいかを検討した研究の結果

検討された病気は「心不全」です。

米国の心不全患者2156名のデータから、以下のグループの比較が行われました。

①グループ:

  • 健康情報に疎い心不全患者
  • 健康情報を適切に活用する心不全患者

②比較すること:

将来の死亡率や入院率

③研究方法:

観察研究

観察研究については以前紹介しましたのでそちらをご覧ください。

以前の記事信頼できる健康情報とは何か?人間を対象にした研究の方法論

また、「健康情報に疎い患者」かどうかは、いくつかの質問をしてその解答内容に応じて決められました。

④結果:

この研究の結果は、以下の通りです。

「基本的な健康情報を取得/処理/理解する能力が低い患者は、通常の患者に比べて死亡リスクが高くなる」

その結果を図で示したのが以下になります。

健康や病気の情報をあまり知らない人いますか?死亡リスクが高いですよ!

縦軸が生存率、横軸が日数です。

赤線も黒線も、日数が経過するほど生存率が低下しているのがわかりますね。

これは「カプランマイヤー曲線」という図で、抗がん剤のような、長期に服用する薬の効果を調べる時によく使われます。


  • 赤線:健康情報に疎い患者
  • 黒線:通常の患者

図の通り、健康情報に疎い患者の方が、年々、生存率が低くなっていきました。

また、この結果は「入院率」についても同様でした。

 

この結果から、以下のように考えられますね。

「健康情報を適切に入手し、活用することで、将来の健康状態の改善につながる!」

2. 健康や病気の情報の解釈に注意が必要なことは?

ただし、この結果を解釈するとき、注意することがあります。

この研究は「観察研究」でしたよね。

これまで何度か出て来ているので、もう覚えている読者もいるかもしれませんが。

「観察研究」は、データの解釈に注意が必要な研究方法なのてす。

 

具体的には、以下のようなことを考慮する必要がありそうです。

  • 心不全以外の病気でも同じ結果になるかどうかはわからない

(ただ、心不全は自己管理が重要な病気なので、自己管理が重要な病気の場合は、同様の結果になるんじゃないかと推測できます)

  • 健康情報に疎い患者かどうかを判別する質問が、適切なのかどうか、ちゃんと十分に検証されているわけではない

(ただ、論文の中では質問内容を明記しています)

 

さすがに、この辺は 論文の著者も当然気にしています。

論文では、著者は以下のようなことを書いています。

「今回の対象患者が、他の一般的な心不全患者と同様の性質を持った患者であり、一般的な心不全患者にも今回の結果を当てはめることができるかについては、精査が必要である」

(今回対象となった患者の詳細な情報は論文内で詳述されています)

3. まとめ

ずっと健康でいたい、長生きしたい。

そのために大切なこと。

それは、いかに正しく健康情報を利用できるか、と言えそうです。

みんなで健康情報の利用方法を学びましょう!

健康寿命を延ばすために。

このブログは、そのためにあるのですから。

 

【参考文献】

[1] JAMA. 2011 April 27; 305(16): 1695–1701

おわり。