超一流医学誌のオチャメな一面。

超一流医学誌のオチャメな一面。

医学論文は、星の数ほどたくさんあって、そのレベルはピンキリです。

その中でも、トップ4に入る、こういう医学誌があります。

「British Journal of Medicine (BMJ)」

イギリス医師会が発行する、超一流の医学雑誌です。

よく、略して「BMJ(ビーエムジェイ) 」と呼ばれています。

 

このBMJ は、毎年、クリスマスに特集を組みます。

その特集では、ユーモアのある臨床研究の論文が掲載されるのが恒例なのです。

これがけっこう面白いんですよー♪

 

昨年の特集で報告された論文は、こんなのでした[1]。

「満月の夜はバイク事故が増える」

昔から、満月の夜は不思議なパワーがあると言われていました。

そういう迷信のような話。

本当に何かあるのかな?と思わせるような、興味深い研究ですね(^o^)

 

その論文によると、満月の夜は、バイクの事故で死亡する確率が5%増加するとのこと

これは米国の結果ですが、他の国でも6~11%増加するとのことです。

ちなみに、2016年は、「サンタクロースは貧困の地域にはなかなか来ない」でした。

 

それにしても。

マジメな研究の世界で、こんな遊び心のある研究は何だか癒されますね(^_^;)

「やればできるじゃん!(^^)d」

と言ってあげたくなります。

こういうのが増えると、 科学に興味を持つ若者も増えるんじゃないでしょうか?

 

ということで、今回は、今年のBMJクリスマス特集についてお話しします♪

今年のBMJ のクリスマス特集では、以下のような論文が掲載されました。

「クリスマスの日は、心筋梗塞が増える!」

1. BMJ クリスマス特集の論文の内容

スウェーデンで、1998年~2013年に確認された心筋梗塞患者さん283,014件のデータを使った研究です。

以下のようなイベントのときに、心筋梗塞が増えるかどうかが検討されました。

  • クリスマス
  • 夏至祭(スウェーデンの祝日)
  • お正月
  • サッカーのワールドカップ
  • サッカーのヨーロッパチャンピオンリーグ
  • オリンピック

2. BMJ クリスマス特集の結果

研究の結果、以下のイベントのときに、心筋梗塞がよく起こっていることがわかりました。

  • クリスマス(1.15倍増える)
  • 夏至祭(1.12倍増える)

 

特に、クリスマスイブはリスクが高く、1.37倍にもなります(T_T)

一方、スポーツイベントのときは、あんまり変わりませんでした。

下の図を見てください。

一年を通した、心筋梗塞が起こる頻度を表しています。

 

一番右あたりに、ピコンと上がっているピークがありますね。

ここがクリスマスのときです。

わかりやすいですねー(^^;)

これだけわかりやすいと、「たまたま」ではなさそうです。

実際に、「統計解析」という難しい分析をした結果でも、「たまたま」ではないという結果になっています。

 

ちなみに、一番危ない時間帯は、

  • クリスマスのときは午後10時頃
  • 普通の日は早朝

でした。

また、一番危ない年齢は、75歳以上でした。

 

クリスマスに心筋梗塞が増える原因として、著者は次のように言っています。

「感情の変化が心筋梗塞を起こすことは以前から知られており、今回の研究でも同様と言えるだろう」

また、こんな分析もしています。

「クリスマスだからと久しぶりに親戚と会ったときに、悪い症状だったことがわかって病院へ入院させるという可能性もある」

 

あと、言っておかないといけないのが、この研究は「観察研究」ということです

これまで何度も出てきました。

「観察研究」は、データの信頼性に注意が必要な研究方法でしたね。

3. まとめ

心筋梗塞のリスクが高い方は、クリスマスのような、感情が高まりそうなイベントのときに、注意が必要ということがわかりましたね。

危険が高いと予想できていれば、備えることができます。

  • はしゃぎすぎない
  • 暴飲暴食しない
  • 一人にならない
  • 病院へのアクセスを用意しておく

みたいな感じですかね。

ユーモラスな臨床研究でも、ちゃーんと役立てることができますね♪

 

ちなみに、このクリスマス特集では、他にも面白い研究の論文を掲載しています。

例えばこういうのです。

「生物科学論文で絵文字を使う時代がきたのか?」

以下のURLからアクセスできます。

英語論文ですが、ところどころに散りばめられている絵文字を見ているだけで、ニヤっとしちゃいます。

さすがBMJ 。

また次のクリスマスが楽しみですねー(^^)d

【参考文献】
[1] BMJ. 2017;359:j5367.
[2] BMJ. 2018;363:k4811.

おわり。